活動レポート
ACTIVITY REPORTHouse de Organic7月研修 IN西宮
兵庫県西宮市に ‟House de Organic研修” が開催されました
今回の研修は既存建物のを断熱改修して
パッシブハウス認定申請を目指している現場視察が目的です
設計⇒鎌倉寿建築設計室(愛知県豊田市)
施工⇒㈱中川忠工務店(大阪市枚方市)
House de Organicメンバーで
両社ともパッシブハウスジャパンの賛助会員さんです
今回視察させて頂いた施主のT様とは12年前に
House de Organicのメンバー数名も含め
ドイツ・オーストリア・スイスの視察ツアーにご夫婦で参加され視察ツアーを一緒に廻った方になります
実はそのT様より2022年2月に突然メールが届き西宮にある築50年の実家を
リフォームしてパッシブハウスにされたいとのメールでした
有難いお話しだぅたのですが松山から西宮まではさすがに施工が難しい為
パッシブハウスのコンサルタントもされている
鎌倉寿建築設計室の鎌倉さんをご紹介させて頂きました
施工業者については鎌倉さんから相談を受け House de Organic のメンバーである
中川忠工務店さんを推薦させて頂きまして
有難い事にお話が進み今回の House de Organic研修 をさせて頂く事となりました
皆様のご縁に感謝です
今回の研修には東京でお住まいになられているお施主様のT様の奥様が
わざわざ研修で皆さんが集まられるのならとわざわざ東京から来ていただきました
建物の進捗は断熱施工・気密シート施工が途中の状態でしたが
スポットクーラー2台と扇風機が設置されており室内は丁度いい室温くらいに冷えており
視察者20名が室内に入っても暑くてたまらないほどれも無く断熱の効果を感じました
中川さんより事前に聞いた話では
既存の基礎には鉄筋が入っておらず強度も弱い為
建物を持ち上げて基礎を作り替えたり補強する計画だったようですが
壁等を解体して行くうちに白アリの被害がひどく構造の方の取替や補強も行わないといけない事が判明し
行政に既存の木材を再利用して面積も形も既存のままで作るので一度木組をばらして
基礎を作り替えて木組の再構築の場合改修工事扱いになるのかと確認されたら
改修工事扱いとなるとの事で建築確認申請も必要ないとの回答をもらったと言う事で
木組をばらして中川さんの倉庫に持ち帰りシロアリの被害の個所は取り替えたり
柱などは一部カットして別の柱でつないだり
桁・梁などはねじれも酷い為に加工機に通してねじれを直したり
かぎ込みのある箇所は埋め木をしたりと大変苦労をされたそうで
その様子が現場に現れていました
現場視察の次は会議室に会場を移動して施主様が参加していただいているので
改修工事でパッシブハウスにされたいとの思いなどを聞かせて頂きました
ご主人のお父様がお住まいになられていたのですが施設に入ることになり
お父様よりこの建物を取り壊すのではなく使ってくれないかと言われたこと
それと3.11の震災で原発の事故のことでエネルギー問題に関心を持つ様になったこと
そして12年前に視察ツアーで廻ったフライブルクにあるボーバン地区でのパッシブハウスの視察で
そこに住まわれている方は年収の違いで家賃こそ違うがパッシブハウスと言う建物に住み
温熱環境は皆さん平等なことが心に残っていたと言われていました
この3点が今回のパッシブハウスリフォームにと決断されたそうです
完成後はいろんな方にもパッシブハウスの良さを知ってもらいたいとまで言われてました
設計と認定コンサルタント担当の鎌倉さんより
パッシブハウスにする為にどのような検討をして数値のクリアーができたかを話していただきました
ネックとなったのは基礎の断熱補強と密集地の為日射取得率が悪い事
既存の基礎への断熱施工の熱橋解析を何十種類と検討されたそうです
日射については南・東・北面は隣家と隣接しており
日射を受けることができない為に唯一解放されている西側にLDKを設け
南西コナーにできるだけ大きな開口部を設け
サッシは日射取得率の高いガラスを採用出来るスマートウィーンを使い何とか数値をクリアー
そのほかにも外壁の色などとんでもないシュミレーションを行ったと説明を受けました
そして今回のパッシブハウスリフォームがとてもいい勉強になりましたともおっしゃられていました
建物は年内には完成するとのお話でしたが施主のT様はお仕事の関係で
お住まいになるのは今から13年先との事でそれまではご親戚の方に賃貸として
パッシブハウスに住んで頂くと言われていました
今回の研修はお施主様よりパッシブハウス認定を希望された事例になります
今後も今回の様にお客様よりパッシブハウスを希望される方が増えることを願いたいですね
とても良い研修になりました